断片的

こういうことになる

翻して瓦解

泣いているやつら、安堵するやつら、おれはこいつらがきらいだ。自分勝手なやつ、殺したい、この目をもつおれ自身を含めて全員殺したい、こんなやつらを諒とするおれの神さまたちを、おれごと葬り去ってしまえればいいのに、おれの足りてない脳みそでは彼らの一挙一動に慈悲を見出してしまう。少なくともおれのことだけは誰にも許されるべきではない。恐ろしく言葉が出てこなかった。言葉を、おれが言うんじゃない。おれの言葉は許さなくていいけど、他の言葉は形にしてあげなくちゃならない。おれの厭世主義と疑心暗鬼で、他のやつらの幸せを、見とれてしまうほど美しいはずの慕情を邪魔してはいけない。おれがおれを嫌うのは構わない、間違ったことだと思わなくてもいい、けれど、俺が他のやつらの好意を妨げてもろくなことにならない。今までだってそうだろう、おれが██の邪魔をしてしまったのは事実だった。おれが厄介者なのは本当のことだけど██の好意は綺麗だったんだ。それなのに自分の想念が滲出するのを恐れてあの子の気持ちをうまく伝えさせてあげられなかった。殺意に浸された頭がぐわんぐわんと揺れる。矛先はほかでもない。許す、許さないの話になると最近もそれに関連した出来事があって、その時彼女は堰を切ったように泣き始めて「まだ自分で自分のことを許せなかったのか」と驚いたように零していたっけな。すぐ会えるような人間に対して会いたいと考えたことがない自分の軽薄さに嫌気がさす。「あした笑っているのは彼によく似た別人だよ」と言われたけれど、その日どんな顔をしていたか恐ろしくて確認することができなかった。最近だれもが静かに怒りを燃やしていて、わたしはきっと夏のせいだ夏が悪いんだと季節が私たちを連れて過ぎ去っていくことを願うばかりだ。憎悪はわたしたちから離れてくれない。わたしをどうにかこうにか丸め込もうとする影は日に日に大きくなる。影から逃げれば逃げるほど、輪郭ははっきりしてくる。視界の端からたびたび何かがっこちらに伸びてくる。狂信者にたいする世間の目線に軽蔑と恐怖の色がみえる。どうすればいい?何もかもが噛み合わない、体が動かない、何もかもが棘をはやしている。はやく季節ごと連れて行ってくれ、助けてくれ、寝てもいないし、起きてもいない。そういえば忌むべきあの日も最悪の1日になったんだったね。██がほぼ発狂に近いかたちで怒りを燃やすこと自体が珍しかった。彼女の激昂の記録はその様子から原因に至るまで抹消されていて、対処のしようがないことで頭を抱えられていた。そんな目で見るんじゃない。おれの救いが神話になってほしい。ずっと██のことをまだ訪れていない救済かなにかだと勘違いしているね。偶像崇拝で救われることのほうが少ないと身をもって体験しているのに愚かだね、愚かだね わざわざここでそんなことを話させようとするおまえのことがきらいだ。おれは顔をぐちゃぐちゃにしないと検閲のいらない言葉をしゃべれないこんなnことを考えているおれとおれの思想は異常なのか?誰か何とか言ってくれ、その目で見るのをやめてくれ!