断片的

こういうことになる

断片的

20181002 無題

伸ばしている途中のうざったらしい前髪が目にかかるので1分に1回は前髪を触っている。秋晴れの日差しに目を細めながら、昼休み、学校を抜け出した。まだ夏が始まる前の過ごしやすい季節に、穴場のコンビニと公園を見つけていた。住宅街の

 

20181110 嫌い

嫌いな人間を殺すことを考えているとただ怒りをマッチポンプで増幅させながら意味の無いことをしているなと自覚させられることになるので普段はあまり考えていない。ただどうしても嫌いな人への殺意が収まらない時が定期的に訪れる。バカそのものみたいな顔で笑っている。猫なで声で騒いでいる。不細工な面を歪めて笑っている。ありえないほどださい服なのに、コンプレックスになりうるほど肌が荒れているのに、似合ってないエクステが不自然なのに、髪がバサバサなのに、どうしてそんなに楽しそうに生きていられるんだ。言語をやめろ、お前みたいな人間に言葉を扱って欲しくない、それ以上喋るな。お前がのうのうと生きてるだけで知らずのうちに他人をこうも不快にさせているということをはやく教えてやりたいよ。

 

20180604 真昼の空気をすり潰す

帰りの電車で好きな人に似ている人を見かけた。結局は人違いだったのだけれど、横顔がかなり似ていたので私は一目見て、ああ、遂にこの時が来てしまった、と絶望した。

 

20180925 被害者ですpessimist⑵は厭世的な

「宗教を奪われた時の恐怖がお前にわかるのか?」誰に聞かせるわけでもない、小く、刺々しく、冷たい声音で零れた呟きに震える。可愛らしい声とは裏腹に覗かせる修羅の顔、慈悲の真逆を往く非情。さながら曇天を覆う分厚い灰色のようだ。一切の光も漏らさない。彼女が空の上に置いてきた半身を想う。

息だけで言葉を紡ぐ彼女の口の動きに合わせ、それを辿るように声帯を震わす。『お前みたいな弱くない人間にはきっとわからないんだろうな』

 

20181031 世界が悪い

親友の生存確認ができなくなり2日、嫌な予感に襲われた私は学校を早退して車を飛ばして会いに行った。彼女は自殺未遂を数回繰り返したあとだった。助手席に乗せると、ぽつぽつと途切れながらもとめどなく事の顛末が語られた。珍しい様子だった。この人をおびやかす大きな不安から手を引いて連れ出して今すぐに逃げ出さなければならない、この状況に向き合わなければならないと思った。彼女を責めることができず、馬鹿、という言葉を何回か飲み込んで曖昧に笑いながら話を聞いていた。